2016年2月7日日曜日

Print-052 LED光源によるサイアノタイププリントの可能性(2)

前回の実験で、青色LEDで露光させて現像しても像が定着しなかったのですが、紫外線が本当に出ていないのかを確認してみました。

紫外線チェッカーを使って青色LED(465~475nm)の光をチェック。


露光後の紫外線チェッカー。この結果によると、青色LEDからは紫外線は出ていないようです。したがって、サイアノタイププリントの露光はできないということが分かりました。



次に、紫色LED(400~410nm)を使って同じように実験してみました。
チェッカーをかざすと、見事に紫色になっています。


紫外線チェッカーはしっかりと紫色に変化しています。色味は中~強の間くらいでしょうか。



追加で購入した紫外線LED(390~395nm)を使って同じ実験をしてみました。
リング状に紫外線が出ているように見えます。


紫色LEDよりも紫色が強いようです。



データシートによると、今回入手した紫外線LEDは指向性が15°とのことで、紫色LEDの30°と条件が異なることから、必ずしも同じ条件での比較にはなっていないかもしれません。


作品制作用の光源にするためには、広範囲を均一に照射させなくてはなりません。果たして紫外線LED光源によるサイアノタイププリント構想はゴールにたどり着くのでしょうか? これから試行錯誤しながらいろいろと試してみたいと思います。


当面は写真よりも電気工作ですね・・・・
もちろん写真もやっていきますよ~


---
参考資料
OptpSupply
3mm Violet LED OSV4HA3A11A(紫外線LED(390~395nm))
"http://akizukidenshi.com/download/OSV4HA3A11A.pdf"

OptpSupply
5mm Super Violet LED OSSV5131A(紫色LED(400~410nm))
"http://akizukidenshi.com/download/OSSV5131A.pdf"

紫外線の研究 学研
"http://kids.gakken.co.jp/kagaku/summer/kit9.html"



-----
本ブログは紫月燈明の独断により書かれています。あくまでも趣味の範囲でご利用ください。
お気づきの点、ご連絡いただければ幸いです。

---
免責事項
・本ブログを参考とした営利を目的とする行為(有料の写真教室、ワークショップ含む)は固くお断りします。

・本ブログの趣旨にそぐわないコメントや誹謗中傷を含むようなコメントなど、紫月燈明が本ブログには不適切と判断したコメントは削除させていただく場合があります。
・本ブログ情報の利用により発生したいかなる損害について、紫月燈明は一切責任を負いません。
・本ブログは予告なしに過去掲載分を含む記事の内容の変更や、更新の中断または中止を行うことがあります。
・本ブログで紹介・リンクしている他のいかなるウェブサイトや文献の内容に対して、紫月燈明は一切責任を負いません。


4 件のコメント:

  1. Film Photographyと申します。サイアノタイプ関連の貴殿の記事を拝見しております。LED光源でのサイアノタイプの可能性についてコメントさせてください。私は昔ながらのアナログフィルムをサイアノタイプで表現していますが、最近、引き伸ばし機を用いて直接フィルムからプリントを作成する方法を見出しました。UV LED光源を用いますが非常に簡単です。これならデジタルネガ作成の為のパソコン上の操作も、インクジェットプリンターもOHPフィルムも不要です。引き伸ばし機に35mmフィルムをセットするだけで多少時間はかかりますが、直接印画紙を焼くことができます。デジタル処理を一切経ずにアナログで出力できるのでアナログ写真と胸を張って言えます。ご参考まで。
    http://exakta.sblo.jp/category/4412025-1.html

    返信削除
    返信
    1. Film Photographyさん、こんにちは。
      最近投稿サボり気味でした・・

      さて、コメントありがとうございます。
      引き伸ばし機にうまく取り付けられるUV-LEDがあれば(作れれば)Good Choiceだと思います。Webも興味深く拝見させていただきました。確かにデジタル化の過程の中でなくなってしまう情報がありますが、フィルムならば残っているので、紙と感光液が決まれば表現の幅が広がるかもしれませんね。もっと光量増やして露光時間の短縮化が課題でしょうか。

      フィルム資産をお持ちの方には、世の中で使われなくなった引き伸ばし機を活用いただけるよう広められるといいですね。
      紫月燈明も少し悩んでみようかと思います。

      削除
    2. レスありがとうございます。引き伸ばし機の場合コンデンサーレンズに集光させるには面積上制約があり、その範囲でUV LED(球)を同心円状に配置し且つ熱対策を考えると、100球/9Vがやはり限界かもしれません。それ以上強い紫外線光源となると今度は引き伸ばし機のレンズに負担がかかるかもしれません(貼り合わせレンズですと、その部分が曇ったり劣化したりする可能性)、フィルムにも影響がありそうです。妥協点を探すとやはり露光時間は犠牲にしても、紫外線はあまり強化できそうにないというのが私の今の意見です。
      ところで、サイアノタイプのトーニングについてジャスミン茶を持ちる方法を紹介されていますが大変興味深く拝見しました。私もさっそく試行してみたいと思います。

      削除
    3. Film Photographyさん、こんにちは。
      なるほど、情報ありがとうございます。
      UV用の集光レンズを使うのが解のひとつかもしれませんが、やや高価なので、サイアノだけのためにというのはちょっと現実的ではないかもしれませんね。
      熱対策もファンをつけれがとも思いますが、あまり振動の要因になるものもつけたくないですし、うまく熱を逃がすような構造を考える必要があるのでしょうね。考えなくてはならないことがたくさんです。
      ジャスミン茶は私も教えていただいたネタなのですが、かなり変化を楽しめますので、ご参考となれば幸いです。

      削除