ここではあくまでも私のやり方を紹介します。やりながらいろいろと試してみてください。
まずパッドに1cmくらい水道水を浸します。次に露光が終わった感光紙を感光部分を下にしてパッドに入れます。この時、感光部分がすべて水に触れるようにしないとムラが出てきます。
そして、感光紙をひっくり返し、画像部分に追加で水をまんべんなくかけ、パッドを揺らしてからしばらく置いておきます。すると、残った黄色い感光液が紙より浮いてきますので、水がある程度黄色くなったら全て水を捨て、新しい水を入れて再び水洗します。
感光紙に感光液が残っていなければ水洗終了ですが、水洗の回数や時間は紙の質(水を吸収しやすいとより水洗必要、厚い紙は要注意)や感光液の塗布量によって変わってきます。また、もとの画像が明るい場合は感光液が多く残っていますので、水洗を念入りに行う必要があります。何回か繰り返してみて、画像の中で一番明るい部分が紙の色になっていれば水洗を終了してもよいでしょう。まだ黄色い場合はもう一度水洗してみましょう。
感光紙を水の中に長時間置いておくと、薄い紙であれば、紙が溶けたり、取り出す時に破けたりします。また、画像の青が流れてしまい、青色が薄くなってしまう場合がありますので、最低限の時間で確実に感光液を取り除ける時間を見つけましょう。
水洗の際に、水道水を使うのが最も簡単ですが、この時、過酸化水素水や酢酸を使うと酸化剤として働くため、より深い青色がでるようになります。水洗後に酸化剤を使う方法もありますので、色々試してみて、好みの状態に仕上がる方法を見つけてみてください。
水洗と調色を一緒にする場合もありますが、それは別の機会に紹介することにします。
-----
本ブログは紫月燈明の独断により書かれています。あくまでも趣味の範囲でご利用ください。
お気づきの点、ご連絡いただければ幸いです。
.
---
免責事項
・本ブログを参考とした営利を目的とする行為(有料の写真教室、ワークショップ含む)は固くお断りします。
・本ブログの趣旨にそぐわないコメントや誹謗中傷を含むようなコメントなど、紫月燈明が本ブログには不適切と判断したコメントは削除させていただく場合があります。
・本ブログ情報の利用により発生したいかなる損害について、紫月燈明は一切責任を負いません。
・本ブログは予告なしに過去掲載分を含む記事の内容の変更や、更新の中断または中止を行うことがあります。
・本ブログで紹介・リンクしている他のいかなるウェブサイトや文献の内容に対して、紫月燈明は一切責任を負いません。
水現像は丁寧にしないとムラになりますよね・・・。酢酸を使うやりかた、やったことがないので一度やってみたいと思います。どのように青がかわるのか!?
返信削除akikoさん、こんにちは。
削除水洗し、乾燥させた後に、酢酸につける方法もありますよ。
はじめまして。日光写真に興味を持って検索しているうちにこちらにたどり着きました。とても丁寧でためになります。
返信削除わたしの頭では理解不能な点があるのですが是非分かる範囲でよいので
教えて頂けたら助かります。
1:青を濃くするならヘキサシアノ酸を多く入れたらより濃くなりますか?
2:日光に当てる時間を短縮したければ、クエン酸鉄を多く入れたら短時間で焼き付けれますか?
3:水洗いするときすべて流れてしまい(洗う時間短くしても)オキシドールでしめても
黄色い液が流れ出てのっぺらぼうになってしまいます。
何が悪いのでしょうか?
4;感光紙を作ったら早く使用しなければいけませんか?(乾燥するまでに時間が
かかるので、作り置きしようかな?と思いまして…)
色々とご面倒ですがよろしくお願いします。
こんにちは、コメントありがとうございました。わかる範囲で回答します。
返信削除①②Print-016にもちょっと触れていますが、クエン酸鉄Ⅲアンモニウムの割合を増やすと感度が上がりますので露光時間は短くなります。また、赤血塩の割合を増やすとコントラストが上がりますので髪によっては青が濃くなる可能性があります。
ただし、いずれも紙や感光液によってかわってきますので、いつもの環境で条件を振ってやりやすい条件を探してみることをお勧めします。
③可能性がありそうなことを徒然に
①露光時にもしガラスを使われているようなら、ガラスがUVカット仕様になってないでしょうか。紙の切れっぱしでネガはおかなくていいので、ガラス有り無しで確認してみてください。
②露光時間が短すぎる。日光でやる場合、ひなたなら見ている間に感光液が黒くなってきます。
③感光液が感度不十分。調合の割合を濃いめに変えてみましょう
④紙が気になります。差し障りなければ教えてください。
④紫外線と酸素に触れなければ保存可能です。が、現実には難しいですね。ただ私はまとめて感光紙を20枚くらい作ってやってますので、実際には使えなくもない気がします。
参考となれば幸いです。
先日相談しました松本と申します。
返信削除お返事ありがとうございました。
はじめ0016に記載されている分量で感光紙を作っていました。
1,2の実験をしてみようと思いやってみたのですが、うまくいかず相談しました。
紫月燈明さんの回答のを見て納得しました。
紙は薄めのスケッチブックの紙を使用しています。
色々な紙で試してみようと思います。
とても参考になりました。ありがとうございました。
松本さん、こんにちは。
削除当ブログを参照していただきほんとうにありがとうございます。
最終的に感光できたのでしょうか?何が原因だったのでしょうか?
ちょっと心配しています。
それから、薄めのスケッチブックを使っていらっしゃるとのことですが、これであれば乾燥はそんなに時間がかからないような気がします。(数分を長いといわれればそれまでなのですが) 感光液をたっぷり塗る必要はないので、ささっと色が着く程度で十分です。塗りすぎていないでしょうか?重ね塗りも感度が上がると言っている人もいるのですが、私の経験ではあまり効果がないように感じます。一度塗りで十分だと思います。
もうひとつ、感光液は完全に乾燥させないといけません。濡れたままと紺青にはなりませのでご注意を。
こんばんは松本です。
削除報告不十分ですみません。
結局は日光に当てる時間を十分取ったのと、クエン酸鉄の量を増やしてみました。
そうしたらくっきり写り水洗いしても黄色い液が流れおちることもなく
素敵な写真ができあがりました。
ありがとうございました。
あと日が落ちないうちに…と焦るもんで感光液の乾燥が不十分では
なかったです。
液もそれはそれはたっぷりと塗っておりました。
家じゅう感光液をぽたぽた落として床は紺青です。
一つまたお尋ねします。
クエン酸鉄とヘキシアノ酸の割合によっては反応しないことがありますか?
紫月燈明さんの割合を単純にどちらか一方だけ2倍 3倍 として実験してみているのですが、ヘキシアノ酸を3倍量入れてもたいして変化が見られないのですが(真っ青な作品を期待したのですが…)これまた
感光紙か露光時間かもしれませんね。
明日はお休みですので朝から焦らずやってみます。
感光液は作り置きは瓶に入れて暗所なら持ちますか?
奥の深い日光写真。とても楽しいですね。
丁寧にアドバイス下さり感謝します。
成功したらご報告します。
松本さん、こんにちは。
削除ご連絡どうもありがとうございます。
露光時間不足と乾燥不十分だったのですね。すっきりしました。
ちなみに、現在の露光時間はどれくらいですか?
日光の場合は昼間と夕方でかなり露光時間が変わってきます。Print-020にある写真は屋外で露光していますが、真夏の晴天時で数分でした。曇ったら十分以上かかった記憶があります。
家じゅうぼたぼたはまずいですねーーー。もう落ちないですよ(笑)。
もし今後も安定して作品制作をお考えの場合は、Print-018でも触れていますが、ケミカルランプ+コンセントタイマーの環境を作ることをお勧めします。少々の出費とはなりますが安定した露光が可能になりますよ。
薬剤の割合ですが、やってもクエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウム3gを4gにする程度で十分だと思います。ただし、紙によっては思ったような効果が見られない場合があるかもしれません。ほんの少し効果が出ると思っておいてください。データシートによると、クエン酸鉄(Ⅲ)アンモニウムは120g/100ml溶けるようなので、飽和しているとは思えないですが。。
3倍はもしかしたら水溶液がすでに飽和しているかもしれませんね・・(データは持ち合わせていませんが)
感光液は保管可能です。私は一度に100g~200gを作り、蓋がしっかりしまるジャムの瓶で保管しています。使わないときは完全遮光できそうなカメラバッグに入れています。
では、お休みを存分に楽しんでくださいね。
結果を楽しみにしています!