先日の体験会のインスピレーションを忘れないように、早速手元にあったボタンとおはじきでフォトグラムを実施してみました。オブジェよりは感光液の塗り方を気にしてみました。だいぶイメージ変わりますね。
オーソドックスな全面
チェック柄。焼肉の網みたい??
豹柄。これはこれで・・・
漢字にしてみた。オブジェが草のように長いと面白そう。
北陸地方にお住まいの方はこの2014/8/2(Sat)と8/23(Sat)に「フォトグラムで光の絵を描こう」と題する体験会が開催されます。食事とお風呂も付くお得な体験会とのことですので、もしご興味ある方はお早めにお問い合わせください。講師は石川県森林公園の体験会と同じ私の先輩で、懇切丁寧で楽しい指導が受けられるはずです。なお、こちらの体験会には私は参加いたしませんのでご了承くださいませ。
白山里の体験イベント
http://www.hakusanri.com/experience/
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本ブログは紫月燈明の独断により書かれています。あくまでも趣味の範囲でご利用ください。
お気づきの点、ご連絡いただければ幸いです。
.
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免責事項
・本ブログを参考とした営利を目的とする行為(有料の写真教室、ワークショップ含む)は固くお断りします。
・本ブログの趣旨にそぐわないコメントや誹謗中傷を含むようなコメントなど、紫月燈明が本ブログには不適切と判断したコメントは削除させていただく場合があります。
・本ブログ情報の利用により発生したいかなる損害について、紫月燈明は一切責任を負いません。
・本ブログは予告なしに過去掲載分を含む記事の内容の変更や、更新の中断または中止を行うことがあります。
・本ブログで紹介・リンクしている他のいかなるウェブサイトや文献の内容に対して、紫月燈明は一切責任を負いません。
2014年7月30日水曜日
Print-036 サイアノタイプ感光液の活用方法(2)
Print-034でも触れましたが、感光液を何とか他にも使えないかと考察してみた第二段です。引き続きサインで何かできないかと思っていたのですが、書道とか日本画などによく押されているハンコをサイアノタイプの感光液を使ってできないかと考えてみました。
この作品に押されるハンコを篆刻印(てんこくいん)というそうで、作家のサインみたいなものです。サイアノタイプの感光液を使って押印できないかを試してみました。
まず、ハンコですが、最近台湾や中国に行く機会が多くあり、その度にハンコ屋さんを見かけてましたので、贈答用としては購入していたのですが、上海で作ると、猫目石(Cat's eye)と称する一番安価な石だと街中の安いところで80元から150元くらい、上海浦東空港で300元くらい。色も豊富(なぜ??)なので例えば男性向けや女性向けといった選択ができます。また、瑪瑙(めのう)と称する石だと150元から。これらの本物の石がこの値段で購入できるのかはここでは触れないことにして、材質はともかく手掘りで15分から30分くらいでできる(看板には3分でできると書いてあるところもあるができた試しがない)ので、漢字、ひらがな、アルファベット何でも対応してくれるので、まぁ買い物ついでに気軽に作れます。もちろん日本でも作れると思います。「紫月燈明」でいくつか作ってみました。
ハンコの石の例。選択肢は他にもたくさんある。
次に朱肉ですが、市販のものだと基本的に朱色しかありません。スタンプ台を使うと黒や他の色も選択肢に入りますが、いずれもすでにインクが充てんされているため、サイアノタイプの感光液単独では使えません。そこで、塗布用スタンプ台なるものを使ってみることにしました。これは販売時にはインクが充てんされておらず、自分でインクを補充するタイプのスタンプ台です。ここに感光液を充てんしてみます。
塗布用スタンプ台(使用前)
塗布用スタンプ台(感光液充てん後)
そして捺印するのですが、感光液の粘度が不足しているせいか、うまくハンコに感光液がのりません。まぁ、かろうじてそれっぽく押せていますが、安定しては押せていません。ワトソン紙のような水彩画紙はもしかしたら相性が悪いのかもしれません。
捺印後(露光前)
捺印後(露光後)
最近は電子捺印なるものも流行っていますので、デジタルネガの中に印影を入れてしまう方法が最もリスクが少ないのかもしれませんが、あえて作品ができてから押せるような方法が確立できると、また楽しみが増えるのではないでしょうか。今日の時点ではまだ確実にとはいえませんが、今後いろいろ試してみて、安定して押印できる方法を見つけていければと思っています。
参考文献
ハンコヤドットコム
http://www.hankoya.com/shop/tenkoku/
シャチハタ 塗布用スタンプ台
http://item.shachihata.co.jp/catalog/product.do?pid=G010013
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この作品に押されるハンコを篆刻印(てんこくいん)というそうで、作家のサインみたいなものです。サイアノタイプの感光液を使って押印できないかを試してみました。
まず、ハンコですが、最近台湾や中国に行く機会が多くあり、その度にハンコ屋さんを見かけてましたので、贈答用としては購入していたのですが、上海で作ると、猫目石(Cat's eye)と称する一番安価な石だと街中の安いところで80元から150元くらい、上海浦東空港で300元くらい。色も豊富(なぜ??)なので例えば男性向けや女性向けといった選択ができます。また、瑪瑙(めのう)と称する石だと150元から。これらの本物の石がこの値段で購入できるのかはここでは触れないことにして、材質はともかく手掘りで15分から30分くらいでできる(看板には3分でできると書いてあるところもあるができた試しがない)ので、漢字、ひらがな、アルファベット何でも対応してくれるので、まぁ買い物ついでに気軽に作れます。もちろん日本でも作れると思います。「紫月燈明」でいくつか作ってみました。
ハンコの石の例。選択肢は他にもたくさんある。
次に朱肉ですが、市販のものだと基本的に朱色しかありません。スタンプ台を使うと黒や他の色も選択肢に入りますが、いずれもすでにインクが充てんされているため、サイアノタイプの感光液単独では使えません。そこで、塗布用スタンプ台なるものを使ってみることにしました。これは販売時にはインクが充てんされておらず、自分でインクを補充するタイプのスタンプ台です。ここに感光液を充てんしてみます。
塗布用スタンプ台(使用前)
塗布用スタンプ台(感光液充てん後)
そして捺印するのですが、感光液の粘度が不足しているせいか、うまくハンコに感光液がのりません。まぁ、かろうじてそれっぽく押せていますが、安定しては押せていません。ワトソン紙のような水彩画紙はもしかしたら相性が悪いのかもしれません。
捺印後(露光前)
捺印後(露光後)
最近は電子捺印なるものも流行っていますので、デジタルネガの中に印影を入れてしまう方法が最もリスクが少ないのかもしれませんが、あえて作品ができてから押せるような方法が確立できると、また楽しみが増えるのではないでしょうか。今日の時点ではまだ確実にとはいえませんが、今後いろいろ試してみて、安定して押印できる方法を見つけていければと思っています。
参考文献
ハンコヤドットコム
http://www.hankoya.com/shop/tenkoku/
シャチハタ 塗布用スタンプ台
http://item.shachihata.co.jp/catalog/product.do?pid=G010013
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2014年7月29日火曜日
Print-035 サイアノタイププリントとフォトグラム体験会(1)
2014/7/27(Sun)に石川県森林公園でサイアノタイプのフォトグラム体験会が開催されるとのことで、ご縁がありまして講師である私の先輩のお誘いを受け、当日のお手伝い(アシスタント)をやらせていただきました。
この森林公園内にある自然物(植物、昆虫など)を集めて、それらをモチーフにサイアノタイプでフォトグラムをやりました。感光液、感光紙はその場で作成、日光で露光。体験会中は晴れたり曇ったりでしたが、露光時間は10分もあれば十分。中には突風でオブジェが飛ばされてしまった方もいましたが、それはそれでコントラストやグラデーションが付いたり、多重露光になったりとで、みなさんすばらしい作品を作られていました。
中でも、子供たちの作品は実に自由奔放で、感光液を全面に塗る人、周辺を残して余白を作った人、感光液を模様のように塗った(描いた?)人、漢字(のように?)を書いた人などなど、それはそれは楽しい作品が多く出来上がりました。
特に印象的だったのが、子供たちと同じくらい(以上?)に大人の皆さんも楽しんでいただけたようで、教える方も本当に楽しく過ごせました。残念ながら体験会は2時間しかなかったので、皆さんと詳しい話はできませんでしたが、ほんの少しでもサイアノタイププリントを体験していただいて、紺青色の楽しさを実感していただけたのではないでしょうか。夏休みの自由課題のひとつにでもなればなぁと思う今日この頃です。
さて、体験会ではいらかという版画用紙を使いました。表はつるつる、裏はざらざら、紙が水を吸いやすい紙です。感光液が多く必要なのと、乾燥に時間がかかる、水洗を入念に行う必要があるのが難点ですが、像が比較的よく出るし、紙がしっかりしているので誰でも扱いやすい紙だと思います。この紙は関西方面ではよく店頭で見かけますが、関東ではあまり(少なくとも私は全く)見かけないことから、もしご興味ある方はネットショップ等で購入してみて、試してみてはいかがでしょうか。
体験会は来年度も開催されそうですので、もし北陸方面にお住まいの方でご興味ある方いらっしゃれば問い合わせてみてください。来年も私が出没するかもしれません。
また、過去には東京都写真美術館のワークショップでも開催されているようです。こちらもご興味あれば問い合わせてみてください。(ちなみに私はこのワークショップとは全く関係がありません。。)
石川県森林公園イベント
http://www9.ocn.ne.jp/~waku2013/event.htm#7
東京都写真美術館 ワークショップ
http://syabi.com/contents/workshop/index.html
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この森林公園内にある自然物(植物、昆虫など)を集めて、それらをモチーフにサイアノタイプでフォトグラムをやりました。感光液、感光紙はその場で作成、日光で露光。体験会中は晴れたり曇ったりでしたが、露光時間は10分もあれば十分。中には突風でオブジェが飛ばされてしまった方もいましたが、それはそれでコントラストやグラデーションが付いたり、多重露光になったりとで、みなさんすばらしい作品を作られていました。
中でも、子供たちの作品は実に自由奔放で、感光液を全面に塗る人、周辺を残して余白を作った人、感光液を模様のように塗った(描いた?)人、漢字(のように?)を書いた人などなど、それはそれは楽しい作品が多く出来上がりました。
特に印象的だったのが、子供たちと同じくらい(以上?)に大人の皆さんも楽しんでいただけたようで、教える方も本当に楽しく過ごせました。残念ながら体験会は2時間しかなかったので、皆さんと詳しい話はできませんでしたが、ほんの少しでもサイアノタイププリントを体験していただいて、紺青色の楽しさを実感していただけたのではないでしょうか。夏休みの自由課題のひとつにでもなればなぁと思う今日この頃です。
さて、体験会ではいらかという版画用紙を使いました。表はつるつる、裏はざらざら、紙が水を吸いやすい紙です。感光液が多く必要なのと、乾燥に時間がかかる、水洗を入念に行う必要があるのが難点ですが、像が比較的よく出るし、紙がしっかりしているので誰でも扱いやすい紙だと思います。この紙は関西方面ではよく店頭で見かけますが、関東ではあまり(少なくとも私は全く)見かけないことから、もしご興味ある方はネットショップ等で購入してみて、試してみてはいかがでしょうか。
体験会は来年度も開催されそうですので、もし北陸方面にお住まいの方でご興味ある方いらっしゃれば問い合わせてみてください。来年も私が出没するかもしれません。
また、過去には東京都写真美術館のワークショップでも開催されているようです。こちらもご興味あれば問い合わせてみてください。(ちなみに私はこのワークショップとは全く関係がありません。。)
体験会の時に制作した紫月燈明の作品です。
石川県森林公園イベント
http://www9.ocn.ne.jp/~waku2013/event.htm#7
東京都写真美術館 ワークショップ
http://syabi.com/contents/workshop/index.html
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2014年7月13日日曜日
Print-034 サイアノタイプ感光液の活用方法(1)
Print-016でサイアノタイププリントの感光液を作りましたが、せっかくなので紙に塗る以外に何か使い方はないかと考えてみたところ、作品にサインをしてみようかと思い始めました。要はサイアノタイププリントの感光液を使って字を書けないかということですが、今回はGペンを使って実験してみることにしました。Gペンは筆圧で線の太さが変えられることからマンガ家がよく使うペンですが、もともとは英字を書くために使われていたとのこと。とりあえずはがきサイズのホワイトワトソン紙に書いてみました。
Gペンで書いた直後。露光前。
露光後。水洗せず。
いかがでしょう?ただし字が下手なのはご容赦くださいませ。
基本的に字のところは全て感光すべきところですので、感光液の残液を洗い流す必要がないことと、室内を暗くする必要性が低いということで比較的容易にできそうです。今回の実験も日中、カーテン解放(外光が入る状態)、蛍光灯のついた室内で書いてみました。
水洗が不要なので普通の葉書でも使えそうですが、サイアノタイプの感光液で書くという説得力のある必然性は今のところ思いつきません・・・
もう少しGペンの使い方を練習したら、次回のサイアノタイププリント作品のサインにでも使おうかと考えています。これなら必然性も説明できそうです。
ZEBRA ペン先
http://www.zebra.co.jp/pro/pensaki.html
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Gペンで書いた直後。露光前。
露光後。水洗せず。
いかがでしょう?ただし字が下手なのはご容赦くださいませ。
基本的に字のところは全て感光すべきところですので、感光液の残液を洗い流す必要がないことと、室内を暗くする必要性が低いということで比較的容易にできそうです。今回の実験も日中、カーテン解放(外光が入る状態)、蛍光灯のついた室内で書いてみました。
水洗が不要なので普通の葉書でも使えそうですが、サイアノタイプの感光液で書くという説得力のある必然性は今のところ思いつきません・・・
もう少しGペンの使い方を練習したら、次回のサイアノタイププリント作品のサインにでも使おうかと考えています。これなら必然性も説明できそうです。
ZEBRA ペン先
http://www.zebra.co.jp/pro/pensaki.html
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お気づきの点、ご連絡いただければ幸いです。
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2014年7月11日金曜日
Print-033 サイアノタイププリントとフォトグラム(1)
写真技法のひとつにフォトグラム(Photogram)があります。印画紙の上にネガフィルムをおいて露光するのが写真ですが、印画紙の上に様々な物体(オブジェ)をおいて、その影や形を直接露光する写真技法をフォトグラムと呼びます。フォトグラムは1830年代にタルボットがすでに行っていたといわれており、約180年の歴史があります。フォトグラムはネガを作る必要がないためカメラが不要であり、感光紙を作り、オブジェさえ準備してしまえば誰でも手軽にできる手法です。身の周りにあるもので露光するとなかなか幻想的なプリントが出来上がります。
以下にサイアノタイププリントで行ったフォトグラムの事例を紹介します。
この2枚は感光紙の上に造花の桜をおいて露光させたものです。上からガラス板を当ててはいますが、桜の花や枝が浮いている部分でちょっと不思議な感じの画像が出来上がっています。
ホワイトワトソン紙 (190g) ホワイトワトソン紙 (300g)
こちらは左側ははさみとつけペン、右側はプラスティックのフォークを感光紙の上において露光させてみました。つけペンやフォークの浮いているところがふわっした仕上がりになっています。
ホワイトワトソン紙 (300g) ホワイトワトソン紙 (300g)
こちらは三角コーン型のお香を並べてみました。一個だけコーンを立てたところが丸くなっていますが、他は全て寝かせた状態で適当に並べています。
ホワイトワトソン紙 (300g) ホワイトワトソン紙 (300g)
フォトグラムは露光時間を厳しくコントロールする必要はなく、初心者向きな作品制作手法と言えます。オブジェが動かないような仕組み(ガラスで挟むなど)があれば、日光で露光するのもいいでしょう。
Christian Marclayさんは、かつて誰しもが持っていたカセットテープを感光紙の上に乗せて、サイアノタイププリントを制作しています。私は手の届くところにあった適当なものをオブジェとして使用しましたが、自分の思い入れのある品をオブジェとしてサイアノタイプのフォトグラムを制作してみると、質の高い素敵な作品ができるのではないでしょうか。
参考文献
ウィキペディア フォトグラム
Christine Schmidt 「PRINT WORKSHOP HAND PRINTING TECHNIQUES + TRULY ORIGINAL PROJECT」 POTTER CRAFT 2010
Christian Marclay 「CYANOTYPES」 JRP 2011
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