Print-034でも触れましたが、感光液を何とか他にも使えないかと考察してみた第二段です。引き続きサインで何かできないかと思っていたのですが、書道とか日本画などによく押されているハンコをサイアノタイプの感光液を使ってできないかと考えてみました。
この作品に押されるハンコを篆刻印(てんこくいん)というそうで、作家のサインみたいなものです。サイアノタイプの感光液を使って押印できないかを試してみました。
まず、ハンコですが、最近台湾や中国に行く機会が多くあり、その度にハンコ屋さんを見かけてましたので、贈答用としては購入していたのですが、上海で作ると、猫目石(Cat's eye)と称する一番安価な石だと街中の安いところで80元から150元くらい、上海浦東空港で300元くらい。色も豊富(なぜ??)なので例えば男性向けや女性向けといった選択ができます。また、瑪瑙(めのう)と称する石だと150元から。これらの本物の石がこの値段で購入できるのかはここでは触れないことにして、材質はともかく手掘りで15分から30分くらいでできる(看板には3分でできると書いてあるところもあるができた試しがない)ので、漢字、ひらがな、アルファベット何でも対応してくれるので、まぁ買い物ついでに気軽に作れます。もちろん日本でも作れると思います。「紫月燈明」でいくつか作ってみました。
ハンコの石の例。選択肢は他にもたくさんある。
次に朱肉ですが、市販のものだと基本的に朱色しかありません。スタンプ台を使うと黒や他の色も選択肢に入りますが、いずれもすでにインクが充てんされているため、サイアノタイプの感光液単独では使えません。そこで、塗布用スタンプ台なるものを使ってみることにしました。これは販売時にはインクが充てんされておらず、自分でインクを補充するタイプのスタンプ台です。ここに感光液を充てんしてみます。
塗布用スタンプ台(使用前)
塗布用スタンプ台(感光液充てん後)
そして捺印するのですが、感光液の粘度が不足しているせいか、うまくハンコに感光液がのりません。まぁ、かろうじてそれっぽく押せていますが、安定しては押せていません。ワトソン紙のような水彩画紙はもしかしたら相性が悪いのかもしれません。
捺印後(露光前)
捺印後(露光後)
最近は電子捺印なるものも流行っていますので、デジタルネガの中に印影を入れてしまう方法が最もリスクが少ないのかもしれませんが、あえて作品ができてから押せるような方法が確立できると、また楽しみが増えるのではないでしょうか。今日の時点ではまだ確実にとはいえませんが、今後いろいろ試してみて、安定して押印できる方法を見つけていければと思っています。
参考文献
ハンコヤドットコム
http://www.hankoya.com/shop/tenkoku/
シャチハタ 塗布用スタンプ台
http://item.shachihata.co.jp/catalog/product.do?pid=G010013
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