いそうなものを調べてみたところ、身近なところでお茶がありました。たまたま手元に緑茶と
番茶がありましたので試してみました。
比較対象として、水道水で水洗した結果を並べておきます。下の水道水のプリントはどちらも同じものですが、カメラのホワイトバランスが若干ずれているせいで、ちょっとだけ色味が違って見えます。
露光時間、露光条件は水道水、緑茶、番茶とも全て同じです。比較対象の色がずれているので、
絶対的な比較は難しいかもしれませんが、相対的にこのくらい違うということと、調色の傾向は
わかるのではないかと思います。
手順
①通常通り露光させる。
②緑茶を作る。気持ち濃いめに作ってみました。
③番茶を作る。気持ち濃いめに作ってみました。
④水洗する代わりに、緑茶、または番茶をパッドに入れ感光紙を浸し、感光液を洗い流す。
⑤様子を見ながらパッドにしばらく放置する。
放置時間はお茶の濃さやその他条件によって異なる可能性があるので、
絶対時間は記載しないこととします。
⑥適当なところでパッドより取り出し、自然乾燥する。
緑茶の例(完全乾燥後)
緑茶に浸した直後は青いままだったのですが、時間がたつにつれて青が深くなっていき、
最終的には深い藍色になりました。ここで使った緑茶は、直売所で缶につめ放題、しかも
破格値で購入した普通のお茶っ葉です。この緑茶は煎茶に分類されるのでしょうかね。
番茶の例(完全乾燥後)
実は番茶から取り上げた直後はかなり赤味がかかっており、あずき色っぽい感じで、
できあがりを楽しみにしていたのですが、乾燥したら緑茶よりも濃い藍色になってしまい
ました。
濃い藍色はそれでよいのですが、あずき色が維持できなかったのがちょっと残念。
もしかしたら、番茶+何かであずき色が実現できるのかもしれません。
緑茶と比較すると、コントラストがあるような気もしますが、諸条件が異なる可能性もあり、
断言するには至りません。結果的にこうなりました、という程度でしょうか。
実は番茶はお茶の中で最もタンニン酸が多いとされています。深い藍色が出来上がった
のはタンニン酸のおかげでしょうか。
番茶、緑茶とも入手性は容易で基本的に安価であること、そして何より安全であることから、
専用の入れ物を用意する必要もなく、手軽に試すことができる調色の一つではないかと
思います。また、日本茶であれば、日本独自の素材を使った手法と言えるかもしれません。
我が家の食器棚には烏龍茶、ほうじ茶、菊花茶、プーアル茶などが眠っています。
お茶の種類で差が出るとしたら、どんな感じになるのでしょうか。今回は試していませんが、
別途実験してみたいと思います。
参考文献
2013 Malin Fabbli and Gary Fabbli 「Blueprint to cyanotypes」 alternativephotography.com 2006 Peter Mrhar 「Cyanotype Historical and Alternative Photography」 2013
タンニン酸 Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3
富士化学工業 タンニン酸
http://www.fujichem.co.jp/catalog/tannic_acid.pdf
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