2015年3月4日水曜日

Print-047 サイアノタイププリントの色を変えてみよう(8)

荒井眞治さんがほうれんそうに含まれるシュウ酸で調色を行い、写真展を行ったとのWebがありました。Webを見る限りデジタルネガを使った手法をされています。プリントの色も青がしっかりと落ちて調色したって感じが見えてとても素敵です。早速ほうれんそうの煮汁を作って調色を試してみました。

市販のほうれんそうを近所のスーパーで購入。ちょっと高めな感じがしましたが・・・



早速ほうれんそうを煮ます。



だいぶ煮込んで、煮汁が出来てきました。



ほうれんそう(の煮汁)調色の例


Webでは漂白+紅茶+ほうれんそうというプロセスを踏んでいるようですが、今回はいきなりほうれんそうの煮汁を冷まして感光紙を洗ってみたところ、やや眠たい感じではありますが、ちょっとだけ緑っぽくなった感じがします。調色はやっぱり漂白がポイントなのでしょうか。

でも、荒井さんの写真展と生プリント見たかったな~。

もちろんほうれんそうはおいしくいただきました。


参考文献
荒井眞治写真展「ライブな日々」−サイアノ・紅茶・ほうれん草−

http://sawyer.nishiogi.biz/exhibition/898


追記
荒井さんに直接プリントを見せていただきました。感動しました。
どうもありがとうございました。


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2015年3月3日火曜日

Print-046 サイアノタイププリントの色を変えてみよう(7)

Print-045のリベンジでホワイトオークチップの煮汁を濃い目に作って試してみました。


まず、前回の煮出しの量です。
約20g程度のホワイトオークを煮出しました。



今回は、お茶パックにホワイトオークを25gずつ、計4パック入れて煮出しました。
水の量は適当です。雪平鍋は20cmです。


約30分煮出し、そのまま一晩放置しました。だいぶ濃くなってきました。
















この煮汁を使って調色実施。


ホワイトオークチップ調色の例















前回の結果である右上の画に比べて、今回の結果である右下の画はだいぶ青が沈んできましたね。やっぱりPrint-045の実験ではタンニン酸が足りなかったようです。

Mrharさんのレシピでは150g~200gのオークチップを1リットルの水で煮ることになっています。今回の実験に比べてさらに濃いタンニン酸が必要なのかもしれません。

自宅で簡単にタンニン酸の量を測る方法があると便利なんですけどね。



参考文献
Peter Mrhar 「Cyanotype Historical and Alternative Photography」 2013

タンニン酸 Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3


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2015年3月1日日曜日

Print-045 サイアノタイププリントの色を変えてみよう(6)

Mrharさんの本によると、「oak bark」で茶色の調色ができるとのことで、簡単に手に入るoakとはなんだろうと考えてみたら、スモークチップが思い浮かびましたので早速購入して試してみました。

まずは、ウイスキーオークチップをお茶パックに詰めて、鍋で沸騰させしばらく放置(1時間くらい?)、常温まで冷めた後に調色で使用してみました。

ウィスキーオークチップ(の煮汁)調色中


ウイスキーオークチップ(の煮汁)調色の例(完全乾燥後)



結果を楽しみにしていたのですが、思ったほど効果がでませんでした。

ちなみに、本来の使われ方で風味を出すウィスキーオークチップはものすごいウィスキーの臭いがします。ウイスキー好きな方はたまらないかもしれませんが、お酒嫌いな方やお子さんには全く持ってお勧めできません。



あまりの臭いに負け、代替品のホワイトオークチップを購入し再チャレンジ。

ホワイトオークもウィスキーオークチップと同様にお茶パックに詰められるだけ詰めて、そのまま鍋に入れて沸騰させしばらく放置(こちらも1時間くらい)、常温まで冷ました後に調色に使ってみました。

ホワイトオークチップ調色(の煮汁)の例


こちらも思ったような結果が得られませんでした。しかも、やや明るくなった程度で、ウイスキーオークチップに見られた調色の効果が全く見られません。

Mrharさんの本をよく読むと、レシピに「150g of oak bark」(本文中には200grams of oak barkとある)と「1 liter of water」と書いてあるので、お茶パック一つに入りきる分(計量したら約20g)ではタンニン酸が十分に出なかったのかもしれません。あわせて、ウィスキーの効果なのかタンニン酸が少なすぎたのか、この結果では切り分けが出来ません。むぅ、残念。

日をあらためて、たっぷりのホワイトオークチップで試してみたいと思います。

気が向けばウイスキー単体でも試してみようかな。。。
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参考文献

Peter Mrhar 「Cyanotype Historical and Alternative Photography」 2013

タンニン酸 Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3

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2015年2月27日金曜日

Print-044 サイアノタイププリントの色を変えてみよう(5)

Mrharさんの本に「Toning in vinegar」という説明がありますので早速単品でやってみました。たまたま我が家にすし酢があったのでちょっと拝借してきました。パッドに入れるとかなりどろっとしているのがわかるでしょうか。

すし酢で調色中


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すし酢調色の例(完全乾燥後)


だいぶ色が濃くなってしまいました。すし酢に漬けすぎてしまったのでしょうか。

実はMrharさんの本には「Coffee and Vinegar」と書かれていたので、酢だけでは効果がなかったのかもしれません。うーむ、失敗です・・・

ちなみに、リファレンスの水道水の画像は、下の柿渋石鹸と同一のものです。

カメラのホワイトバランス(スマホのですけど)がかなり違うせいで、全く別物に見えてしまいます。



タンニン酸を豊富に含むモノのひとつに柿があげられるとのこと。今はシーズンではないので柿が手に入らず、代替品を探していたところ、柿渋石鹸なるものを見かけたので試してみました。石鹸なので正確には柿渋石鹸水調色になるのでしょうか。適当に水で溶いた柿渋石鹸水で調色できるか試してみました。


柿渋石鹸調色の例(完全乾燥後)



うーむ、あまり効果なし。

ちょっとトーンが上がっている感じでしょうか。
その前に、柿渋石鹸にはタンニン酸が含まれているのでしょうか???
どちらかというと、かなり、失敗の部類に入るのかもしれません。。。

タンニン酸で調色できる原理を利用して、サイアノタイププリントの感光紙でタンニン酸チェッカーなるものが作れないのでしょうかね??


参考文献

Malin Fabbli and Gary Fabbli 「Blueprint to cyanotypes」 alternativephotography.com 2006
Peter Mrhar 「Cyanotype Historical and Alternative Photography」 2013

タンニン酸 Wikipedia 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3



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2015年2月26日木曜日

Print-043 サイアノタイププリントの色を変えてみよう(4)

前回ポリフェノールが広義のタンニン酸であると書きました。詳しい説明は参考文献に譲るとして、ポリフェノールと言えば赤ワインでは?と勝手に思い、早速試してみました。

赤ワインで調色中


赤ワイン調色の例(完全乾燥後)


だいぶコントラストがない、眠たい画像になりました。もしかしたら、赤ワインに浸していた時間が長すぎたのかもしれませんが、黒が沈んでいる感じです。

もしかしたら、ワインの種類によってポリフェノール濃度が異なるため、調色の結果が異なる場合もあるかもしれませんし、赤ワインのこの品種は調色に適しているというのが見つかる可能性も否定できませんが、臭いやコストの関係でこれ以上は深追いしないことにします。お酒が苦手な人にはかなりつらい作業となりますね。好きな人は色々なワインを試してみてくださいね。


続いて、冷蔵庫にあったオレンジジュースも試してみました。主な成分はオレンジなわけですが、いわゆるすっぱい味なので、酸が多いのではと思い調べてみたところ、Wikipediaによると、「主成分として4-6%のショ糖と0.7-1.2%のクエン酸」とのことで、調色としての効果はあまり期待できないのではないかと勝手に想像しながら、実験してみました。

オレンジジュースで調色中


オレンジジュース調色の例(完全乾燥後)



クエン酸鉄アンモニウムにクエン酸ではあまり劇的な変化は望めないでしょうか。気持ち黒が沈んでいるようにもみえますね。赤ワインに近い結果のように見えます。

なかなかうまくいきませんねー。


参考文献

2013 Malin Fabbli and Gary Fabbli 「Blueprint to cyanotypes」 alternativephotography.com 2006 Peter Mrhar 「Cyanotype Historical and Alternative Photography」 2013


オレンジ Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8

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2015年2月24日火曜日

Print-042 サイアノタイププリントの色を変えてみよう(3)

FabbliさんとMrharさんの本のどちらにもコーヒーでの調色が掲載されていたので、たまたま自宅にあったコーヒーで試してみました。

こちらも、水洗の代わりにコーヒーで洗い、像の調子を見ながら引き揚げました。
コーヒーは、たぶん普通の人が飲む濃さと同じくらいと思います。
(私は普段コーヒーを飲まないので濃さがわかりません・・・)

コーヒー調色中


感光紙をパッドに入れて、コーヒー注入、紙を揺らしながら待つことしばし。

コーヒー調色の例(完全乾燥後)



番茶や緑茶に近い色合いなりましたが、それらよりやや青色に近いようです。

また、写真では全く伝わりませんが、現場には臭いというファクターが存在します。コーヒーの香りが好きな方はよいですが、苦手な方には作業中はかなり苦痛が伴います。(私のことです。。)

また、調色で最もよく紹介されているのが紅茶です。たまたま自宅にあったティーパックをちょっと多めにいれ、濃い目に作って、今まで同様、水洗の代わりに紅茶を使ってみました。


紅茶調色の例(完全乾燥後)


こちらもお茶やコーヒーに近い色合いになりました。

一説によると、高級な紅茶よりは、安価な紅茶の方がタンニン酸が多いらしいですが、高級な紅茶はもったいなくて使えませんね。。。

ルイボスティーには広義のタンニン酸であるポリフェノールが多いとのことで、もしかしたら新たな調色ができるかもしれませんが、別な機会にとっておきます。

今回も入手性が容易で、安価で、かつ安全なコーヒーと紅茶でサイアノタイププリントの調色ができることがわかりました。いずれも手軽に調色できる材料であるといえます。


参考文献
2013 Malin Fabbli and Gary Fabbli 「Blueprint to cyanotypes」 alternativephotography.com 2006 Peter Mrhar 「Cyanotype Historical and Alternative Photography」 2013

タンニン酸 Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3

富士化学工業 タンニン酸
http://www.fujichem.co.jp/catalog/tannic_acid.pdf

タンニン酸とは何か
http://www2.odn.ne.jp/had26900/constituents/what_is_tannin.htm


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2015年2月23日月曜日

Print-041 サイアノタイププリントの色を変えてみよう(2)

調色にはタンニン酸が必要と参考文献には書かれていましたので、タンニン酸が入って
いそうなものを調べてみたところ、身近なところでお茶がありました。たまたま手元に緑茶と
番茶がありましたので試してみました。

比較対象として、水道水で水洗した結果を並べておきます。下の水道水のプリントはどちらも同じものですが、カメラのホワイトバランスが若干ずれているせいで、ちょっとだけ色味が違って見えます。

露光時間、露光条件は水道水、緑茶、番茶とも全て同じです。比較対象の色がずれているので、
絶対的な比較は難しいかもしれませんが、相対的にこのくらい違うということと、調色の傾向は
わかるのではないかと思います。

手順
①通常通り露光させる。
②緑茶を作る。気持ち濃いめに作ってみました。
③番茶を作る。気持ち濃いめに作ってみました。
④水洗する代わりに、緑茶、または番茶をパッドに入れ感光紙を浸し、感光液を洗い流す。
⑤様子を見ながらパッドにしばらく放置する。
  放置時間はお茶の濃さやその他条件によって異なる可能性があるので、
  絶対時間は記載しないこととします。
⑥適当なところでパッドより取り出し、自然乾燥する。

緑茶の例(完全乾燥後)



緑茶に浸した直後は青いままだったのですが、時間がたつにつれて青が深くなっていき、
最終的には深い藍色になりました。ここで使った緑茶は、直売所で缶につめ放題、しかも
破格値で購入した普通のお茶っ葉です。この緑茶は煎茶に分類されるのでしょうかね。

番茶の例(完全乾燥後)


実は番茶から取り上げた直後はかなり赤味がかかっており、あずき色っぽい感じで、
できあがりを楽しみにしていたのですが、乾燥したら緑茶よりも濃い藍色になってしまい
ました。

濃い藍色はそれでよいのですが、あずき色が維持できなかったのがちょっと残念。
もしかしたら、番茶+何かであずき色が実現できるのかもしれません。

緑茶と比較すると、コントラストがあるような気もしますが、諸条件が異なる可能性もあり、
断言するには至りません。結果的にこうなりました、という程度でしょうか。

実は番茶はお茶の中で最もタンニン酸が多いとされています。深い藍色が出来上がった
のはタンニン酸のおかげでしょうか。

番茶、緑茶とも入手性は容易で基本的に安価であること、そして何より安全であることから、
専用の入れ物を用意する必要もなく、手軽に試すことができる調色の一つではないかと
思います。また、日本茶であれば、日本独自の素材を使った手法と言えるかもしれません。

我が家の食器棚には烏龍茶、ほうじ茶、菊花茶、プーアル茶などが眠っています。
お茶の種類で差が出るとしたら、どんな感じになるのでしょうか。今回は試していませんが、
別途実験してみたいと思います。


参考文献
2013 Malin Fabbli and Gary Fabbli 「Blueprint to cyanotypes」 alternativephotography.com 2006 Peter Mrhar 「Cyanotype Historical and Alternative Photography」 2013

タンニン酸 Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3

富士化学工業 タンニン酸
http://www.fujichem.co.jp/catalog/tannic_acid.pdf

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・本ブログ情報の利用により発生したいかなる損害について、紫月燈明は一切責任を負いません。
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