2013年11月6日水曜日

Print-013 紙の扱い方

テストピース(詳しくは露光のところで紹介します。露光テスト用に作った小さな紙)でプリントする条件を合わせこみ、ようやくプリント始めた一枚目がなんと想定外の出来になることがあります。また、しばらく順調にいっていたのにある時突然出来栄えが変わってしまい、また条件の取り直しから始める羽目にあったりすることもあります。ネガも紙も感光液も露光時間も変えていないのに、いったい何が起こったのでしょう?

いくつかの原因が考えられますが、今回は紙を原因とするもののみ取り上げてみましょう。


①紙の表裏が違う
 紙の製造工程にもよりますが、紙の裏表で仕上げ方が違う場合があります。習字紙のように明らかに違う場合もありますが、水彩画紙は表裏があり、それがとても分かりにくいです。最初はどちらが表か裏かがさっぱりわかりませんが、慣れてくると、表裏でさわり心地が違うのがわかってきます。テストピースを使う場合、一枚の紙を何枚かに切って使ったり、所望の大きさに切った切れ端を使ったりします。この時、表裏がわかるようにしておかないと、表裏が混ざった状態でプリントしてしまう可能性が高くなります。こうなると、紙ごとに最適な露光時間が異なったり、にじみ方が違ったり、色味が違ったりしてしまいます。ただし、表と裏、どちらが正しいかということはありません。プリントの結果が違うことはまぎれもないことですが、表の方がいい場合、裏の方が好みであったりすることもあります。表と裏の特性の違いをしっかりと理解して、自分の作風にあった方を選ぶようにしましょう。

②紙自体が別なものに
 極めてまれな事例かもしれませんが、万が一に備えて書いておきます。
 例えば、スケッチブックでサイアノタイププリントを行う場合、一冊のスケッチブックの中で紙が変わることはとても考えにくいですが、同じタイプのスケッチブックをもう一冊購入した場合はどうでしょうか。紙も工業製品ですので、どうしてもある程度の品質のばらつきが生じてしまいます。もちろんこのばらつきがある程度の範囲に収まるように生産者が調整したり検査したりしているのだと思うのですが、生産者の都合によりある日より紙の厚さがほんの少し変わっていたり、全く別な紙になっていたるするかもしれません。納入業者を変更していることもあるでしょう。これらは、多くの場合、生産者が製造コストを削減するためにより安価な紙に切り替えているのではと勝手に考えていますが、公知される場合、されない場合ありますので、どうしてもつじつまが合わない場合は疑ってみましょう。ただし、消費者側でできることは販売店や生産者に問い合わせて事実を確認してみるくらいで、実際はその変更を受け入れるか、新たな紙を探すかの2択になってしまうのではないでしょうか。

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